EXポリリン酸®。
それは、歯や骨を作るアパタイトや体内で重要な働きをもつタンパク質に結びつき、その機能を強化するという希有な生命物質です。リン酸が複数鎖状に結合した高分子物質を「ポリリン酸」と呼び、そのポリリン酸を機能に応じて適切な長さに分割したものを「分割ポリリン酸®」と呼びます。
この分割ポリリン酸®の長さ(分子量)をさらに厳密にコントロールしたものが「EXポリリン酸®」です。

リジェンティスでは、世界に先駆けて人体内におけるポリリン酸の重要性を見い出し、研究を重ねポリリン酸を「分割」「コントロール」して製造する特許技術を確立しました。

そもそも、生体内ポリリン酸は20世紀中ごろからロシア科学アカデミーを筆頭に研究が盛んになり、ポリリン酸が海底火山で多く検出されたことから、生命の起源物質のひとつであると考えられるようになりました。
近年になり、人体にポリリン酸の存在を確認することに成功して以来、体内で重要な働きをするタンパク質に結びついて、
その機能を強化する働きの解明が徐々に進み、世界でも注目を集める生命物質の一つとなっています。

 

 

世界で誰も成し遂げていない研究を −開発ストーリー−

EXポリリン酸®の誕生。
その発端は、四半世紀以上前の大学研究室にさかのぼります。

開発ストーリー1

DNAの権威、アーサー・コーンバーグ教授の挑戦

リジェンティス株式会社の代表取締役である柴肇一は、大阪大学大学院医学研究科で博士号を取得後、北海道大学で分子生物学の教育研究を行う科学者でした。
1993年、「DNA複製」の研究でノーベル賞を受賞した世界的権威のアーサー・コーンバーグ教授が、新たな研究テーマとして「ポリリン酸」に取り組むという一報に触れ、アメリカのスタンフォード大学にあるコーンバーグ氏の研究室に博士研究員として赴任しました。

当時は、「ポリリン酸」という物質について研究をする学者は世界でもわずかでした。
大腸菌の中に存在することまでは確認ができていたものの、人間の体内に存在するのかも、ポリリン酸がどのような働きをする物質なのかも、まったく未知の状態でした。しかし、自分自身も知らなかったような生体分子で、ほぼ誰も解明できていない未知の素材というテーマに強く惹かれました。
いつの日か、ポリリン酸の存在を人体で確認し、その働きを解明して世界中の人の役に立てたい。その思いに強く突き動かされていました。

測定法さえ解らない「謎の物質」

「ポリリン酸」という物質はあまりにも単純な分子構造でできているため、検査機器に入れれば数値が出るというものではありません。当時はポリリン酸の測定法が確立されておらず、分析に必要な研究データや論文も不足していました。従って、検出方法を考案することから、地道な挑戦が続きました。
ポリリン酸そのものを検出することは難しいため、ポリリン酸を別の物質に化学変化させ、それを色や光で検出するという基本的な方法が確立されたのは、研究に着手してから数年後のことでした。
人体にポリリン酸の存在を確認できたことで、いよいよ人間をはじめとした高等動物における生体内ポリリン酸の研究をスタートできる段階になりました。

 

再生医療の研究で、ベンチャー起業へ。

開発ストーリー2

長さによって働きが変わるポリリン酸

人体におけるポリリン酸の働きを解明する研究が始まりました。
帰国して北海道大学に戻り、基礎研究に明け暮れる中で、ポリリン酸は「細胞の成長因子」に結合することでその細胞の機能を増強するという働きが明らかになりました。
これは、再生医療の分野に活用ができる画期的な発見でした。
2004年、北海道大学発ベンチャーを起業し、大学と提携して創薬の共同開発を始めることになります。

ところで、ポリリン酸という物質自体は、工業分野で古くから用いられていました。主に、食品添加物や不燃性材料といった用途です。しかし、工業製品で使われるポリリン酸と、人体に含まれるポリリン酸は、少し別物であることが研究の中で解明されました。
ポリリン酸は、リン酸分子が鎖のようにつながって生成されるのですが、鎖でつながる数によって「長さ」が変わります。そして、その長さによって「働きが変わる」という不思議な現象を発見しました。
工業用途のポリリン酸は鎖の「短い」ものが主でしたが、人体内部のポリリン酸は比較的鎖の「長い」ものでした。つまり、医療やヘルスケアの分野など人体に役立つポリリン酸を生成するには、「長い」ポリリン酸をつくり、その長さをより正確に揃えておく必要があります。

ポリリン酸の長さを分割する研究

そこで、ポリリン酸を「分割」する方法の試行錯誤を始めました。
ポリリン酸を製品として普及させるには、コストを抑えて大量に製造する条件も満たさなくてはなりません。
探究の末、長い鎖と短い鎖を分離させるためにエタノールを用いるという意外な方法を発明しました。驚くほど単純な製造法ですが、むしろ単純すぎて誰も思いつかなかった発想でした。
ここに、鎖の長さを整えた「分割ポリリン酸®」が誕生しました。
この「分割ポリリン酸®」をさらに精製し、より長さの整った分子集合体にしたものが「EXポリリン酸®」です。
 

再生医療研究結果の蓄積で、全く新しいオーラルケア製品に挑む

EXポリリン酸®で歯周病に挑む

大学と共同で進めていた創薬開発は、骨再生から歯周組織再生の分野に応用を広げました。
歯周病は長年の国民病で、未だに有効な治療薬がつくられていません。もし、歯茎や歯周ポケット内に塗るだけで歯周病を治せるような薬を開発できれば、簡単に誰でも使えて人類に貢献できるのではないか。その思いに駆られて、研究に没頭しました。
さまざまな治験により、顕著な効果を確認できるまで開発は進んだものの、医薬品としての承認を得るにはまだまだ膨大な費用と時間が必要です。しかし、ここまで積み上げた長年の研究成果を、どうにか世の中のために役立てることはできないかと考えました。

オーラルケアに有効なポリリン酸の長さ

そこで注目したのが医薬部外品でした。
分割ポリリン酸®やEXポリリン酸®を医薬部外品のオーラルケア製品に応用できれば、より多くの方々にすぐに使ってもらうことができます。これまでの再生医療研究の蓄積も、より身近に実感してもらうことができます。

やがて研究を進めると、ある特定の長さのポリリン酸が、歯の表面の汚れを効率的に落とし、さらに汚れを付きづらくすることを発見しました。ポリリン酸を分割し一定の長さにそろえることで、歯の表面のアパタイトに汚れより強く結合し、さらに歯をコーティングすることで新たな汚れをつきにくくする作用が強くなります。
この作用は一定の長さのポリリン酸が口腔内に汚れを残さないためのオーラルケアの基本成分として、多くの方々に喜ばれる製品作りの役立つに違いないと思い立ちました。

ポリリン酸を歯みがき剤の有効成分として使用するメーカーはこれまでにもありましたが、「分割された長さ」によって働きが変わるポリリン酸は、「長さ」ごとに精密に最適化して用いなくては効果が限定的になります。その長さをコントロールできる技術を持つのは、ポリリン酸研究のパイオニアであるリジェンティスだけです。

こうして、まったく新しい「オーラルケア製品」が完成しました。
長年にわたるポリリン酸の基礎研究が、ついに「製品」という形で成果を結びました。
2007年からテレビ通販番組などで販売をはじめると、徐々にクチコミでご評価をいただき、おかげさまで多くの方々にご愛用いただける製品に育ちました。

 

世界の研究者と新たな可能性を求めて。

開発ストーリー3

世界で研究が加速しはじめたEXポリリン酸®

世界的権威のアーサー・コーンバーグ教授が、その輝かしいキャリアの最後に追い求めたポリリン酸の研究は、教授の遺志を継ぎ、今こうして実を結びつつあります。
しかし、ポリリン酸の可能性はまだまだ計り知れません。
近年、ようやくポリリン酸の国際研究学会が立ち上がり、世界中の学者が研究活動を進める土壌が整ったばかりです。

リジェンティスは「分割ポリリン酸®」と「EXポリリン酸®」を製造する唯一の企業として、研究を進める世界中の大学や研究機関に無償で素材を提供し、ポリリン酸のさらなる機能究明に向けた研究をお手伝いしています。

EXポリリン酸®のリーディングカンパニーとして

ポリリン酸は、長さによって働きが変わるユニークな物質です。
その長さを適切に制御して働きを応用することで、既存のオーラルケア、ヘアケア、スキンケアなどの分野で一線を画す製品を生み出せると確信しています。
また、「分割ポリリン酸®」や「EXポリリン酸®」をサプリメントとして応用することで健康増進に効果が期待できる可能性もあります。

今後はさらに「分割ポリリン酸®」や「EXポリリン酸®」を応用したセルフメディケーションの分野を拡大させるべく研究開発に取り組んでいく予定です。
リジェンティスはポリリン酸のリーディングカンパニーとして、ヘルスサイエンスの分野で新たな領域を切り拓き、世界の人々の健康維持に貢献していきたいと考えています。

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